2008年03月25日

2〜3秒ためますか?

3月16日の日記「動きと呼吸」に続いて今回は「タメ」について考えてみます。


仰向けになり両方の膝を曲げる。
その膝をゆっくり右と左に倒してみる。
そして倒しにくい方から、倒しやすい方へ息を吐きながらゆっくりと動いていく。
一番心地の良い所で動きを2〜3秒ほどタメて、ストンと瞬間脱力をする。
これを3〜5回繰り返す。

・・・16日の日記でも紹介しましたが、操体法の本に昔から書いてある操法の進め方です。


動きを2〜3秒タメてストンと瞬間脱力という部分ですが、ナゼ2〜3秒なのか?ということについて考えてみます。
この「2〜3秒タメて」という「間」の指定から当時と現在の捉え方の違いが見えてきます。


昔の操体関連の本やビデオなどを見ると

「楽な方へ気持ち良く動いて〜」

という表現が見られます。

この表現からわかるように、当時の操体法では気持ち良さ(快)な動きの区別は今よりずっと曖昧でした。
当時は、分けて考える事などなかったのでしょう。


従って、楽な方へ動く事で体は歪体から正体へ戻っていくのだというのが基本的な考え方でした。


その考え方や、やり方はまだ操体独自のものというよりも、操体をまとめる時に橋本先生が参考にしていた高橋迪雄先生の正体術にとても近い(ほぼ同じ?)ものだったと当時を知る先生に伺った事があります。



後年「大事なのは原始感覚である」と橋本先生の大きな気付きがあってからは、重要なのは動きではなく感覚だと変化していきました。
ここが操体法と正体術の重要な分岐点となったのは間違いない事でしょう。

しかし、その気づき以前の操体法は動きこそが重要と捉えていたのは間違いのないではないでしょうか。


この動きというもので操法を見た場合には、どのくらいタメていればいいのか?という基準(目安)がわかりません。

感覚であればそれが落ち着いてくるまでという明確な基準がありますが、動きの場合ではいつ終わって良いのか最初に基準を設けておかなければ終われなくなってしまいます。


そこでタメの基準(目安)が必要になったのです。

これは回数についても同じ事が言えます。
感覚であればもう十分とわかるのですが、動きだけではどのくらいやるのか?基準(目安)が必要です。


このように、当時の操体法はまだまだ運動療法であったことが見えてきます。


現在の操体ではタメの時間も回数も指定はありません。

それは現在の操体が動きの世界ではなく、感覚に委ねる、更に言えば「味わいの世界」へと深化して来た結果なのです。



晩年の橋本先生は、ご自分で2〜3秒ではなく気持ちいいだけ味わっていました。
そんな橋本先生をみて、ある先生が直接お聞きになったそうです。

「先生、本には2〜3秒タメてって書いてあるけど・・・」

と聞くと・・・

「そんなの知らねえよ。勝手に書いてあんだ・・・」と笑っていたそうです。

橋本先生はちゃんとわかっているんですね。
posted by すなけン at 19:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 操体
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